タイトルにもある通り今回は高校生におけるアルバイトについて記事を書いていきたいと思います。というのも私の元に保護者の方そして現役の高校生からご意見をいただきましたのでそれについて述べていきます。
今回はあくまでも元教員として書きますのでその点ご留意下さい。
学校側がアルバイトを禁止することはできるのか
今回の一番の論点にもなるところですね。まず最初に言っておきますと学校側が当該学校に所属している生徒に対して学校外での活動に対して何かした禁止処置を施すことは法律上できません。
そもそも学校内での活動は学校長が管理し運営しているので学校内での制限や禁止事項というのは校則として保護者・生徒・学校外の方に周知をしているものです。当たり前ですがそれに違反した場合は生徒指導の対象になるのは当たり前のことです。
ですが、今回はその学校を離れて個人としてどこかの企業へアルバイトを行うということに関しては学校側はなんの処置や罰則を設けることはできません。
就労における法律の照らし合わせ
今回の件において法律を照らしますと下記の点が上がって来ます。
1.憲法第27条「勤労の権利及び義務」
2.労働基準法第56条1項「使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない」
2点を踏まえますと高校生である以上働くことは自由であって学校側がそれを禁止することは不可能ということになります。
学校側の校則はあくまでも学校内の規則であって学校外ではそれは通用しないですし、そもそも法的効力が無い。
ただし、使用者は学業を行なっている児童に対して修学に差し支える労働をさせてはならないのは当たり前のことです。
学校側の意見と現在の社会状況から
学校側がアルバイトを禁止するということに関して簡単に言いますと、高校生である児童生徒は心身の発達が途中段階であり、自己判断における適切な判断が未成熟であるので労働における法の誤った解釈などで学業への影響や心身への負担が懸念されるとともに、犯罪への関与が強く想定されるため全面的に禁止としている学校が多くあります。
実際にアルバイトの就労環境では年齢関係なく入り混じった環境で労働を行うため法律で禁止されていることへ安易に手を出してしまって気づいた時には取り返しのつかないことへも発展しているのは事実です。
実際に近年では高校生が闇バイトへ応募するケースは年々増加傾向にありその点を踏まえると学校側としてはそのような影響が学校内部へ広まることを懸念して防衛処置としてアルバイトは禁止と校則に掲載しているのが現状です。
学校側が行うべき処置
学校側はこういった問題は毎年必ず浮上することです。なのに解決を行おうとしないのが日本の教育現場の現状なんです。
この問題に対して学校側は校則でアルバイト禁止からアルバイト許可制へと切り替えるべきだと私は思います。
許可制とは何かと言いますと、学校側へ誰がどこでどのような就労を行うかを届けなさいというだけのことです。ただ、書面に書くだけであり届け出があった場合はそれを拒むことなく受け取るだけです。
理由としては前文で述べた学校への影響です。たとえば未成年にも関わらずお酒・タバコを扱うお店での就労は教育上影響が出かねないと予測することが出来るからです。
アルバイトに馴染んでくれば「このぐらいは。」と思う一面もあり、それが学校教育への影響想定されると判断されれば学校側は就労場所の制限をすることは出来ませんが保護者に対して就労場所の変更を促すことは仕方ないと思います。
学校側が禁止としているもうひとつの理由
これは学校現場で実際に働いていた私も思ったことです。
全ての家庭に対して該当することではないのですが極一部のご家庭において「もう高校生なんだから」という言葉を使って子どもの教育を遠目であったり最悪放棄する家庭がいらっしゃいます。
民法第714条「監督義務の責任」とあります。高校生は未成年者であり高校生が犯したことに関しては監督者の責任になるということを理解していない方が一部いるのが現状なんです。
要は子どもがアルバイトで遅くに帰宅しようが夜中に出歩こうが「もう高校生なんだから」という一言で許している保護者がいるんです。
そして学校外で学んだ悪事を学校内に持ち込み教育活動の妨げを行った責任を負おうとしない保護者が増えてきているために学校側は「アルバイトの禁止」という点について変更をしたがらないのが事実です。
アルバイトをさせてもいいが保護者がきちんと未成年者の収入・労働状況・心身の状況把握を行なっていれば問題ないのですがそれを怠り学業へ影響していると判断されるケースがあるため学校と家庭の溝が埋まらないということになります。
アルバイトを行うためには
アルバイトを行う上で一番重要なのは「保護者が未成年者を適切に管理する」が一番重要なことになってきます。当たり前ですが未成年者は自分が未成年であることを踏まえた上で就労をし法律で定められていることへは触れることのないように心がけることは大前提です。
その上で、近年の物価高の影響も踏まえ家庭によっては子の収入の一部を家庭の食費などに充てざる得ないというのが現状です。そういった家庭環境を踏まえ学校教育は教育の平等を考えアルバイトを禁止するのではなく許可制へとするべきというのが私の意見です。
そして今回のテーマである「高校生でのアルバイト」ですが、働く上で重要なのが金銭の取得が一番の理由にせずに家庭の環境上就労することで家庭への経済的負担の軽減が目的であることをきちんと説明することが重要となってきます。
ダメな理由は、「ブランドの服が多く欲しい」「遊ぶためのお金が欲しい」など学業から離れるであろうと思われる理由は当たり前ですが誰が聞いても「それはダメだよ。」となります。
あくまでも学生の間は学業が第一であることを忘れずに考えましょう。
最後に元教員から
私はアルバイトをすることは全く反対はしません。ですが上で書いた通り法に触れるようなことであったり学業から遠ざかってしまうような働き方は決してダメです。
ですが、将来の職業をアルバイトからヒントを得るということもできるのが大きなメリットですし、挨拶であったりコミュニケーション能力が身に付くことでしょう。実際に接客業をしたことで高校生のうちに多くの友人と会話ができるようになり学校に行くことが楽しいとなった子も目にして来ました。
その反面深夜徘徊を行い補導されてしまったり薬物に手を出し取り返しのつかない人生になってしまった子も実際に目にしてきました。
一番ショックだったのは近隣の駅にて薬物を実際に購入している場面を見てしまったことです。その購入するためのお金はアルバイトで稼いだものであり使い道を間違ってしまった行為です。
高校生はあくまでも未成年であり保護者がみなさんの監督者です。みなさんの行動はある意味大人の目にとまり今後の社会へ大きな影響を及ぼすこともあります。なのでアルバイトを検討しいる子はまずは学校の生活に慣れているか。学業は疎かになっていないかまずはその2点を自分なりに考えてみて問題がなければ自分が挑戦したみたい職種でアルバイトをすると良いと思います。
人生いい出会いもあれば悪い出会いもあります。社会はみなさんが想像している以上に怖い部分もあることを心の隅でもいいので置いといて下さい。