臨時的任用と非常勤講師

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こんにちは、sosoblogのsosoです。今回は教員採用試験を受験してダメだった時にどのような働き方があるのか臨時的任用と非常勤講師について記載していきます。高校の教師目線で話をしていきまが、小学校や中学校もあまり変わらないので是非参考にしてください。
この先では臨時的任用は臨任、非常勤講師は非常勤と表します。

臨時的任用と非常勤講師の違い

この話を進めるにあたって2つの雇用形態における労働条件と報酬の面だけ先に軽く触れておきたいと思います。

労働条件

臨任は、専任と言われる正規の教員とほぼ変わらない環境で仕事を行なっていきます。主な業務は、教科指導・補習指導・学年業務・分掌業務・生徒指導・進学指導・保護者対応・広報業務・部活動指導です。また、学校の状況によっては担任業務も入ってきます。なので、勤務時間は大体8時30分から17時までの一日7時間45分が勤務時間となります。
さらに、祝日・休日の出勤も状況によってはあります。主に部活動となりますが体育祭や文化祭、保護者面談といった突発的な出勤も無いとは言い切れません。

非常勤は、臨任とは違って教科指導のみとなります。雇用契約する際は基本的には何時間分で!という言い方になります。この何時間分とは、授業1回が1時間という表現となり例えば8時間お願いします。となればその学校で1週間に8回授業を行うことになります。
概ね1回の授業が40分〜50分が大体で前後10分はサービス業務となることが当たり前です。なので実質上1回の授業で1時間の勤務となります。
私が見てきた非常勤の先生方は多くて18時間で少なくて6時間とかです。これはその人のライフスタイルに合わせて時間を自分で決めれるのである意味働きやすいと言えば働きやすいです。そして、臨任は契約職員であれど法令順守が必要となるので副業が禁止となり、非常勤は副業が許されています。

報酬

臨任の報酬は、上記でも述べたように専任とほぼ変わらない待遇で労働することになるので、満額の報酬が支払われます。もちろんですが、年休や夏季休暇・福利厚生も専任に近い形の待遇です。
報酬額ですが、新卒で手取り23万円程度と思っていただければ良いと思います。2024年現在では、正直こんお報酬が高いかと言われると微妙なところですが。。。。
給料については、実は各都道府県できちんと定められており、その定めに合わせて報酬は決まってきます。要は民間企業みたいに若くして高額報酬はあり得ないということです。

非常勤の報酬額ですが、これはその年度にどれだけの授業を受け持つかによって左右してきます。1コマの授業で1ヶ月1万円と思って頂いた方が良いかと思います。
要は1コマというと1週間に1回で月に4回から5回授業を行うということです。なので単純計算週に10コマを仕事して受け持てば月に10万円ということです。正直激安!!です。
ですが、安い分メリットとしてては副業または本業が可です。
私の知り合いは、高校の非常勤講師を副業にして、本業を違うことをしていました。その方は、本業の性質上午前中に時間があったりしており先方(高校側)に午前中の1時間目と2時間目ならやるよ!と言い毎年小遣い稼ぎ!と言って引き受けてました。

この登録については、実は年中行なっています。都道府県の教育委員会のホームページに臨任・非常勤の登録フォームがあると思うのでそこに登録するだけです。
都道府県別教育委員会のリストはこちらです。
登録後は、臨任または非常勤の枠に空きが出れば先方から電話をしてきます。
ただし、登録の時点で教員免許の所持が条件となるので見込みはNGとなります。

地方公務員法16条 「欠格事項」とは
専任・臨任・非常勤になる際に地方公務員法16条に該当してないよね?と聞かれます。そもそも地方行員法16条とはなんぞや!と簡単に言いますと、犯罪犯してませんよね?仮に犯罪を過去に犯していたらその刑期を終えてますか?という質問です。
詳細はこちら
(欠格条項)
第十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
二 当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
三 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて、第六十条から第六十三条までに規定する罪を犯し、刑に処せられた者
四 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者

まず、ここまで読んでいただきありがとうございます。ここからは現場で約10年働き目の前で起きてきた惨劇と教育現場の現状の真実を踏まえて話していきます。これから教員を考えている方の参考になればと思います。

教員という仕事をおすすめしますか?と聞かれたらNOです!そして個人的には全くおすすめしません。

理由は簡単で、労働時間の長さと労働環境の極悪、組織としての成長の遅さが理由です。特に臨任を希望している方は将来的に専任を目指している方が多くいると思います。ですが、専任を目指しているのであれば尚更おすすめしません。非常勤についても全くおすすめしません。え?時間が自由で良いと言っていたじゃないかと思うかもしれませんが、それは表向きは良いように見えますが実際は違います。

臨任は上記でも記載しましたが、専任と何ら変わらない待遇で労働するので膨大な仕事の量をこなす必要があります。当たり前ですが部活動指導も業務の一部に入りますので部活動指導も行うということは状況によっては休日に指導を行うということになります。その結果採用試験に向けた勉強時間の確保が難しくなり採用試験で力が発揮できずに不採用という結果になることは正直ざらです。

私が約10年間で出会った臨任の先生の人数は、38人でその内採用試験に合格された方は14名です。約36%の方しか合格していないという結果なんです。

この数字を見て高い?低い?と言われると低すぎます。中には、真面目に採用試験には受けずに臨任を続けたいからとりあえず採用試験を。という方もいますが、大多数の方が真剣に毎年挑んでいる採用試験でこの数字はあり得ないです。

先に答えから言いますと本当です。これは2つの要因があります。1つ目の要因は試験に挑むための自分への時間の確保の難しさ2つ目は内部評価です。

1つ目の時間の確保についてですが、現実問題教員の働き方改革は何も変わっていません。というよりは悪化していっている一方です。例えば労働時間を明白化するためにタイムカードが導入されましたが、長時間働く時は17時から18時に退勤したことにしてそこから残業するようにと言われることがあります。誰に言われるか?校長です。校長も上からの圧力があるので仕方ないと言えばと言ってしまえばそこまでなんですが、そこを管理するのが校長なのに見て見ぬふりをする校長は大多数です。なので、残業は本当にあって当たり前。というのがこの教育業界の根強い習慣なんです。タイムカードを導入する前は私がエクセルで作成したシートに個々に入力してもらって月末に回収していました。それをなんと改変して県へ提出していた管理職もいる程本当に管理職には管理能力=危機意識は薄いです。こういった残業などから臨任の先生にとっては非常に大きな壁になってしまい、家に帰っても疲れ果てて寝てしまったり、土日は部活動で時間が確保出来なかったりと臨任の先生にとっては、先生という仕事ができても採用試験に合格できない要因が降りかかっているのが現状です。

これは私が働いていた当時のスケジュールです。臨任の先生もほぼ同じスケジュールで動いています。ここに、プラス家での教材作成や土曜・日曜・祝日の部活動指導も入って来ます

青が学校に勤務している時間です。ほぼ毎日12時間以上は学校に居ます。そして、プライベートの時間は本当に2時間内ぐらいですね。
それに、土曜・日曜・祝日は基本部活で休む間はほぼ無いのが現実です。
睡眠時間が1日に4時間~5時間あればまぁまぁいい方です。

非常勤というと、授業の時だけ来て終わったら帰るというのが一般的な認識だと思います。ですが、現実は少し異なっておりまず見るべき数字は非常勤の平均年齢かと思います。約10年間で蓄積したデータで見る非常勤の平均年齢は、49.5歳です。約50歳です。
この平均年齢が実は現場で少し問題となっており、それはサービス残業やサービス業の当たり前化です。年齢が高い分プライベートの時間が自由な方が多くいらっしゃり、授業が終わっても帰らない方はめちゃくちゃいます。職員室でいつまでもくっちゃべっており年配の専任の方も先輩だから、、、という感情なのか分かりませんがその会話に付き合います。その結果話の延長で業務を一緒に行うことが当たり前になっているのです。その本来当たり前ではないことが若い非常勤にも影響し、帰ろうとした際に、え?もう帰るの?これ少しやっていってよーと引き留めることが現場で頻繁に起きます。管理職も聞こえているくせして仲介せずに、無視をするので若い非常勤は将来を考えて嫌々手伝う方が多くいます。結果在校時間が長くなり、時給に換算したら500円以下だったなんてのはざらです。要は在校時間が長くなる=自分の時間が削られるという意味なので、それだけ勉強時間が無くなるというのが現実なんです。

また、非常勤の収入の部分では学校行事に影響されます。体育祭や文化祭・音楽祭といった学校の行事は平日行われますので、その分違う別曜日に振り返りを行うことになるので、収入に若干の変動が生じますし、本業にも多少影響することがあります。これは最初の説明の際に校長がされているはずですが、この振り返りが現場ではトラブルの元になっており、実は非常勤の先生への連絡は各教科の主任がすることになっている学校が大体です。その結果主任がその仕事を落とすと非常勤の先生への連絡がされずに当日に欠勤扱いになったりすることが稀にあります。
この連絡の方法にみなさんはどう思いますかね。私は学校長が非常勤へ一斉にメールを送るなど責任が生じる仕事は、きちんと管理職が行うべき仕事と思っています。

非常勤は合格しにくい?

非常勤講師は採用試験の際の待遇処置は、一切無いのが現状です。というのもフルタイムではないので校務分掌や部活動指導、生徒指導など学校運営に大きく関わらないので正直その人のスキルなどが見えないからなのか待遇処置はないです。なので、非常勤講師の方は、採用試験では一般選考といい一般教養も勉強する時間を確保する必要があります。
さらに、合格しにくいもうひとうの要因ですが非常勤講師は勤務している学校長の評価が採用試験の際に参考資料として出回っています。その内容次第ですが、正直受からなに可能性もあるのが現実なんです。

私は現場で働いていた中で一番悲しい話をします。

先に言っておきますと臨任や非常勤の方が精神的ダメージで仕事を休職したい場合、福利厚生上選択肢は退職の一択です。

これは、臨任と非常勤の採用形態が半年又は1年契約だからなんです。要は潰れても最悪3月31日でバイバイだからと校長は良く言います。
そして、自分が教員になって一番ショックだった校長の一言が「専任の代わりが臨任や非常勤なんだから使えない奴だったり潰れる奴のケアなんてしてられないよ!」と聴いた時です。その際はお酒の席でもあったのでまぁ酔った勢いで。とも思いますが内心そう思っているんだなこのクソジジイは。と思いました。
私的に何がショックだったかというと、人材を人材として見ずに捨て駒扱いしていることだったんです。潰れれば次が来る。ダメだったら更新しない。問題起こすなら仕事を押し付ける。と言った臨任潰しであったり、非常勤潰しという行為や言動はあります。それが嫌で更新をせずに業界から去ってしまう先生もいらっしゃるのが現状なんです。

何よりも、臨任や非常勤で潰れてしまうと何も保証が無いんです。専任の場合、病休という形で1年間なり休んでいてもある程度はお金が支払われますが臨任や非常勤は本当に何も無いんです。これがどれだけ残酷かは当事者にしか分からない気持ちだと思いますが、考えるだけで本当に辛いことだと思います。

だから、もし先生やりたい!と思っている方は臨任や非常勤をやらずに民間企業に勤めながら採用試験の勉強をすることをおすすめします。そして、最近では社会人選抜という採用区分もちらほら出てきましたのでそういった制度を活用して合格する術もありだと思います。

臨任や非常勤は契約更新がある。というのは上の記事を読んでいただいたら分かったことだと思います。その更新はいつできるかを教えしますと

1月の中旬から2月の下旬です。

は?舐めれるのか?と思いますよね。それは私も思います。ここで契約更新が出来なかった場合というのは、自分が希望している教科で臨任や非常勤の空きが無かったということなんです。または、仕事上この人は向いていないと校長に判断されあえて話が降りてこないとうこともあります。どちらにせよ一番困るのは本人ですよね。
契約更新が出来なければ、そこから就活をするしか選択肢は無いんです。これは、私が臨任や非常勤をおすすめしない理由でもあるんです。ご察しの通り、正直不安定な契約状況なんです。都合は全て教育委員会寄りになっており、契約申し込みをして来た側の声なんて一切無視なんです。この状況からも本当に臨任や非常勤の扱いは雑と感じるかもしれませんが、これが現実なんです。

なぜ、そんなに契約更新が遅いのかと言いいますとそもそも専任の人事通告が都道府県によりますが概ね1月の下旬から2月の上旬なんです。そこで専任が納得のいかない人事だと校長などに噛みつき内部を引っ掻き回す人がいます。
順番で言うと、再任用→専任→非常勤講師→臨任という順番で本当に最後の最後で余った枠に当てはめていくという仕組みなっています。

こんなに不安定な状況なら正直民間で経験やスキルを上げてから教育業界へ入って来た方が見方も変わりますし、民間での経験も活かせる場は必ず出てくると思います。

教員を目指しているが、採用試験がダメだった時に臨任や非常勤を。と考えているかもしれませんが、何度もしつこくて申し訳ないんですが本当にオススメしません!職務上精神的に病んでしまうことも多々ある仕事だからこそ福利厚生がきちんとしている専任とう立場の方が絶対に良いと言うのと、臨任でも仕方ないやといつしか合格することに諦めを抱いてしまうこともあるからです。これは臨任でも非常勤でもそうです。
今となっては、教員免許の更新制度は廃止され事実上永久免許となりました。だからこそ、いつでも教員はなれる!と前向きに考えていただきこつこつ勉強していつか採用されればなと毎年受けるのも一つの手段だと思います。
今の時代教員の働き方は大きく問題視されているからこそ、その現状を知らずに飛び込むと本当に嫌と思う程残業させられたり、休日出勤は当たり前!という環境で心が病んできます。大学生であれば、採用試験だけでなく、必ず民間企業からの内定を最低一社は抱えた状況で是非採用試験に挑んでください。

まとまりが無いですが、私の思う気持ちのまま書いてみました。先が長い人生だからこそ仕事は楽しくやりましょう!