学校現場での残業時間の増加はなぜ起きてる?

学校×ICT

その真実について残業の真実Part1【朝の連絡】をテーマにお答えしていきます。

前回の記事のおさらい

前回の記事では、ニュースにもなった「特給法」の改正について触れました。民間企業の新卒者の賃金の増加や、教員の勤務状況に合っていない状況から特給法の増額は妥当?なのではないかと。ですが、残念なことに私は妥当ではないと思います。もはや、現代の教員の残業は自ら作った。と言っても過言ではないのと、教員のスキルの低さが原因で起きている問題であると私は現場で働きながら思っていました。今回はその現場のリアルな状況について話していきます。

前回の記事
【給特法の引き上げをなぜ拒む?教員の現場で起きてることとは?】

改善に無頓着な組織

前回の記事の中であった、電話対応や回収したプリントの採点から評価まで実は現代の技術上デジタル化することは容易です。
私も現役の頃は1人で45人×9クラス約400名分の教材を作成、配布、回収、採点、評価を行ってきました。その経験から言って正直他教科の人間はもっと受け持っている生徒人数は少ないはずなのに、なぜか疲弊しています。私からしたら不思議で仕方なかったんです。その疲弊している原因は簡単で、自分の仕事を改善しようとする意識が皆無だからなんです。

朝の連絡のデジタル化

前回の関連記事で触れた保護者からの朝の連絡は、これはもうデジタル化していない学校程無能なんです。言葉がキツイですが、何かしら理由を付けてなぜか教員は電話が良い。保護者と直接やりとりをしたいからなど確かに分からなくはないんですが、今求められているのは業務の改善を図り軽減化をすることなんです。その改善どころか昔ながらのやり方に固執してずっと改善をしようとしないんです。

組織の改善ができない学校程生徒への対応も適当だったり、担任や部活動の顧問にトラブル発生時の案件を管理職が押し付けがちになっていたりします。

朝の連絡=学校へ来る電話をデジタル化するにあたって何が問題なのか下記の4つについて見ていきましょう。

①保護者の金銭的な負担
②機器の扱いが分からない
③保護者の融通が利かない
④教員のわがまま

①保護者の金銭的な負担
 システムを導入するにあたり、当たり前ですがそこに通わせている生徒の保護者への金銭的な負担は致し方ないという状況です。理由としては、学校は営利企業ではないので誰かが外に営業して利益を出している訳ではなく保護者から預かったお金と国・県・市からの決まったお金で1年間やりくりしなくてはならないからです。と、言っても負担額は正直導入するシステムによって軽減化することは可能です。

②機器の扱いが分からない
 これは教育業界において大きな課題でもあります。教員自体そもそもICT要は情報機器に精通している訳ではないので積極的に導入しようとする姿勢は皆無なんです。私みたいに、何事も挑戦して導入して日々改善!と思っている教員は1校に2名いればいい方です。その為、このようなシステムを導入したとしても大多数の教員が扱い分からず結局身勝手に私のクラスは電話でいいですよ!と保護者には言ってしまい、導入した意味が無くなってしまうということはざらです。

③保護者の融通が利かない
 上記では教員が。と言いましたがこれは保護者もなんです。電話の方がいい!という方もいれアプリなんかで簡潔に連絡をしたいという方もいます。これは一長一短ですが、目的は、教員の負担軽減なので、出来えば賛同して欲しいところなんです。
 なぜなら、教員の負担軽減が出来ない=トラブル発生時にその対称生徒への対応も遅れる原因になるからです。

④教員のわがまま
  ここまでくるとお前は教員の敵だ!と思われかもしれませんが、正直現場で一緒に働いていて、業務の改善をしてもそれを崩されるとさすがに腹が立ちますよね。
 教員のわがままとは、年配層の方のことです。悪く言う形にはなりますが本当に大きな壁になっているんです。「今までは電話の方が良かった!」「インターネットは分からない!」「パソコンを使えない」など自分のスキルを上げようとしない人が反対してくることは日常当たり前に起きています。

導入するにあたっての配慮

この記事を読んで導入しようと思った学校の関係者は実際に導入した際に私が気を付けたことを下記にまとめましたので参考にしてください。

配慮事項①現場の教員

教員へはメリットの説明を存分にしてあげましょう。教員は生徒への愛情や心配性な人が多くいるので、生徒が何をしているか、どうなのかを知るだけでなぜか安心します。なので下記を参考に説明してみてください。

①出張先でも生徒の遅刻・欠席状況は確認できますよ!
②パソコンで管理できるので、遅刻・欠席の累計が出せますよ!
③連絡用紙を軽減化できるので担当者の負担も減ります!
④朝からボランティアで電話対応して頂いてる方の負担軽減です!
などなど自分の学校で起きている負担が軽減できることをアピールしましょう

配慮事項②管理職

まぁ無頓着な管理職が多くなった時代ですね。自分も現場でくずと言っても過言ではない保身的な管理職と何度も戦って来ました。そんな管理職は、、、はい!管理職には下記の事項を三個に説明しましょう。

①教員の残業時間軽減
 紙で管理しなくなった分、累計やまとめる作業は断然効率化でき作業時間が減ります。
②管理職も把握しやすくなる
 管理職も自身のパソコンから誰が欠席していたかを把握できますよ!と言いましょう。近年の校長会でも不登校問題など大きく取り上げることがありますので是非プッシュ!しましょう。
③電話回線の優先化
 遅刻や欠席の連絡はデジタル化できることで、事故や事件での対応電話を優先できるよになります!何かと回線が埋まっており、連絡ができない!なんてことは良く起きることですが、デジタル化することで電話を最小限にでき緊急時の電話がしやすくなります。

配慮事項③保護者

保護者へは金銭的な負担を心配する方から、スマホをまだ持っていないという方もいます。その方向けの対応はこちらです。

①必要な金額を明瞭化する。
1か月単位でかかるのか、または年単位なのか。そして安ければ良いという問題ではないということは覚えておきましょう。
②今後の運用方針
 導入して間もない頃は不慣れな方もいるので、電話対応&導入アプリなどの両方で受け付けているということをアピールしましょう。
③質問窓口の一本化
 どの先生に問い合わせれば確実な答えがくるのか、担当する教員を複数名(各学年で1名~2名+学年主任)確保しましょう。
④導入アプリへの切り替えの明確化
 いつから電話対応から導入アプリへの切り替えを行うかを明確にしめしましょう。でないと、親としたらだらだら移行期間だと苦情の原因にもなります。

連絡ツールの照会

1 チャイムリー
  旧名「れんらくあぷり」です。多くの学校さんで導入しているというアプリです。

2 マチコミ
  欠席連絡を重視したい方はこちらがオススメです。ICTが苦手な方でも直観的に操作できる形になっています。

とまぁ2つしか紹介しませんが、なぜなら現在多くの企業がこの手のシステムを開発しているからです。要は現在学校をターゲットにビジネスを展開している企業は多くいるんです。ですが、私的には学校の現状に合わせて無料で利用できるGoogleフォームが一番のオススメです。コストをかけずに導入できるというのは、保護者への負担軽減にもなります。一番の難点は教員にそこまでのノウハウがあるか否かですね。Googleフォームの作成は正直ネット検索すればいっぱい出てきますので見て真似たものを使えばいいと思います。
※時間があればどこかれ作成を掲載します。

結論

少し話が脱線しましたが、教員の残業時間の増加はこういったデジタル化が出来ない部分が未だに多くある点です。なぜ、ここまでデジタル化が当たり前になった時代なのにしないのか私は本当に不思議です。このデジタル化についての話は多くありどんどん掲載していきます。

若手が教員を目指したけどやめた。というのは正直このデジタル化したけど負担が逆に増えた。ということも若手の教員離れのひとつの要因と私は思います。